「二世帯住宅の玄関は共有でも大丈夫?」
「玄関を1つにすると後悔する?」
「親世帯と子世帯で玄関を別々にした方がいいのかな?」
二世帯住宅を建てるとき、玄関を共有するか別々にするかで迷う方は多いと思います。
わが家は2014年に建てた注文住宅で、高齢の父と私たち夫婦、子ども3人の6人で暮らす二世帯住宅です。
玄関・浴室・トイレなどは共用にしており、玄関も家族全員で1つを使っています。
実際に10年以上暮らしてきましたが、玄関を共有していることで毎日のようにストレスを感じているわけではありません。
親と同じ玄関を使うことで、出入りや来客に気を遣うこともほとんどありませんでした。
しかし、10年以上暮らして親も年齢を重ねてくると、家を建てた当時には想像していなかった問題も出てきました。
その一つが「玄関の鍵」です。
親が「まだ誰か家にいるだろう」と思って鍵をかけずに出かけたり、単純に鍵をかけ忘れたりすることがあります。
また、6人家族ということもあり、玄関には想像していた以上にたくさんの靴が並びます。
新築時に設置した下駄箱だけでは足りず、わが家では後からDIYで子ども用の靴箱を追加しました。
10年以上暮らした現在の結論を先に言うと、もし私がもう一度二世帯住宅を建てるなら、玄関は親世帯と子世帯で別々にします。
この記事では、実際に二世帯住宅で玄関を共有して10年以上暮らした経験から、良かったことや後悔したこと、これから建てるならどうするかを紹介します。
これから二世帯住宅を建てる方の参考になれば幸いです。
- 二世帯住宅で玄関を共有しているわが家の状況
- 玄関を共有して一番感じるのは靴の多さ
- 新築時の下駄箱だけでは足りずDIYで靴箱を追加
- 玄関を広めにしておいたのは正解だった
- 玄関共有で後悔したのは「鍵の閉め忘れ」
- 玄関を共有すると「誰が最後に出るのか」が曖昧になりやすい
- 防犯面を考えると玄関を別々にすればよかったと思うこともある
- 出入りや来客で気を遣うことはほとんどなかった
- 二世帯住宅で玄関を共有するメリット
- 二世帯住宅で玄関を共有するデメリット
- 玄関を共有するなら収納は「今」ではなく10年後で考える
- 二世帯住宅は共有部分の「10年後」を考えることが大切
- 親世帯との距離感は設備だけでは決まらない
- 10年以上暮らした結論|今建てるなら玄関は別々にする
- まとめ|二世帯住宅の玄関は10年後まで考えて決めよう
二世帯住宅で玄関を共有しているわが家の状況
まず、わが家の二世帯住宅について簡単に紹介します。
わが家は2014年に建てた注文住宅です。
高齢の父と、私たち夫婦、子ども3人の合計6人で暮らしています。
完全分離型の二世帯住宅ではなく、玄関や浴室、トイレなど一部の設備を家族で共有するタイプです。
玄関は親世帯用と子世帯用に分けず、1つの玄関から全員が出入りしています。
家を建てるときには、玄関を2つ作る必要性をそれほど感じていませんでした。
同じ家族ですし、玄関を共有しても特に問題はないだろうと考えていたからです。
実際、暮らし始めてからも「親と顔を合わせるのが嫌」「来客のたびに気を遣う」といったストレスを感じることはほとんどありませんでした。
そのため、玄関を共有したことそのものが大失敗だったとは思っていません。
ただし、10年以上暮らしてみると、別の部分で「玄関を分けておけばよかった」と感じることが出てきました。
玄関を共有して一番感じるのは靴の多さ
二世帯住宅で玄関を共有して暮らしていると、まず感じるのが「靴が多い」ということです。
わが家は6人家族なので、単純に考えても6人分の靴があります。
しかし、実際に玄関に置かれる靴は一人1足ではありません。
普段履いている靴のほかに、サンダルやちょっと外へ出るときに履く靴など、毎回下駄箱へしまわず玄関に出している靴もあります。
そのため、実際の人数以上に靴が多く見えます。
子どもが成長すれば、さらに靴の種類も増えていきます。
学校へ履いていく靴だけではなく、遊びに行くときの靴や部活動などで使う靴も必要になります。
家を建てた当時は、ここまで玄関の靴が増えるとはあまり考えていませんでした。
新築時の下駄箱だけでは足りずDIYで靴箱を追加

わが家では、新築時に下駄箱を設置しています。
ところが、家族6人で生活していると、その下駄箱だけでは収納が足りなくなりました。
そこで後から、子どもたちが使うための靴箱をDIYで作りました。
家を建ててから収納家具を追加すること自体は難しいことではありません。
しかし、追加するためのスペースがなければどうしようもありません。
その意味では、わが家は玄関を少し広めに作っておいて本当に良かったと思っています。
もし玄関そのものを必要最低限の広さにしていたら、後から靴箱を追加したことでかなり窮屈になっていたはずです。
二世帯住宅で玄関を共有する場合は、
「6人家族だから6足分」
という考え方では足りません。
一人が普段使う靴を何足か玄関周辺に置くことまで想定して、玄関収納を考えた方がいいと思います。
特に子どもがまだ小さい家庭では、現在の靴の量だけを見て収納を決めない方がいいでしょう。
子どもが中学生、高校生と成長すれば、靴のサイズも種類も変わってきます。
玄関を広めにしておいたのは正解だった
玄関について後悔していることもありますが、逆に「これは正解だった」と思っているのが玄関の広さです。
わが家では玄関スペースを比較的広めにしました。
建てた直後にはそれほど感じませんでしたが、家族6人で10年以上暮らした現在は、この余裕があって良かったと感じています。
靴が増れてもある程度置く場所がありますし、後からDIYした靴箱を設置することもできました。
二世帯住宅では、どうしても部屋数やリビング、水回りなどに目が行きがちです。
その結果、
「玄関は出入りするだけだから、それほど広くなくてもいい」
と考えてしまうこともあると思います。
しかし、玄関を共有する場合は二世帯分の人が同じ場所を使います。
家族が多ければ多いほど、靴だけでなく傘やその他の外出用品も集まりやすくなります。
玄関を共有するなら、ある程度余裕を持った広さと収納スペースを確保しておくことをおすすめします。
玄関共有で後悔したのは「鍵の閉め忘れ」

玄関を共有して10年以上暮らしてきて、現在もっとも気になっているのは鍵の問題です。
わが家では、親が外出するときに、
「誰かまだ家の中にいるだろう」
と思って、玄関の鍵をかけずに出ていくことがあります。
実際には誰も家に残っておらず、玄関が無施錠の状態になってしまう可能性があります。
また、父も年齢を重ねています。
そのため、「誰かいると思った」というケースだけではなく、単純に鍵をかけ忘れて出ていってしまうこともあります。
家を建てた2014年当時は、こうしたことまで考えて玄関の間取りを決めていませんでした。
しかし、二世帯住宅は建てたあと10年、20年と暮らしていく家です。
建てた当時は元気だった親も、当然年齢を重ねていきます。
二世帯住宅を建てるときは、現在の親の年齢や生活だけを見るのではなく、10年後、20年後のことも考える必要があると実感しています。
玄関を共有すると「誰が最後に出るのか」が曖昧になりやすい
玄関が1つの場合、家族全員が同じ鍵を使って出入りします。
そのため、
「誰か家にいると思った」
「自分が最後ではないと思った」
ということが起こりやすくなります。
一世帯だけで生活している場合でも起こることですが、親世帯と子世帯が一つの玄関を共有していると、それぞれの予定を常に把握しているわけではありません。
私たち夫婦が外出していても、父は家にいると思っているかもしれません。
反対に、父が出かけていることをこちらが知らない場合もあります。
それぞれが別々の生活をしているからこそ、「誰かいるだろう」という思い込みが生まれます。
この点については、玄関を共有する二世帯住宅ならではの注意点だと感じています。
防犯面を考えると玄関を別々にすればよかったと思うこともある
もちろん、玄関を2つにしたからといって鍵のかけ忘れが絶対になくなるわけではありません。
ただ、親世帯と子世帯で玄関が分かれていれば、それぞれの世帯が自分たちの玄関を管理できます。
「こちらの世帯は全員出かけるから鍵をかける」
という判断がしやすくなります。
現在のわが家では玄関が1つなので、親世帯と子世帯の両方が同じ玄関の施錠に関係します。
実際に鍵の閉め忘れを経験するようになった現在は、
「玄関だけでも分けておけばよかったかな」
と思うことがあります。
これは、家を建てたばかりの頃にはほとんど考えなかったことです。
出入りや来客で気を遣うことはほとんどなかった
玄関を共有するデメリットとして、「親と顔を合わせる」「来客時に気を遣う」といったことが挙げられることがあります。
しかし、わが家の場合は、この点についてほとんど気になりませんでした。
父と同じ玄関を使うことで、出入りのたびに気を遣うこともありません。
来客についても、玄関を共有していることで大きなストレスを感じた経験は特にありませんでした。
宅配便や来客を別の家族が対応できることについても、特別便利だと感じているわけではありません。
このあたりは、家族関係や生活スタイルによって感じ方が大きく違う部分だと思います。
ネットなどで「玄関共有は来客で気を遣う」と書かれていても、すべての家庭に当てはまるわけではありません。
わが家の場合は、来客や出入りよりも、靴の収納と鍵の管理の方が現実的な問題でした。
二世帯住宅では、一般的に言われているメリット・デメリットだけで決めるのではなく、自分たちの家族なら何が問題になりそうかを考えることが大切だと思います。
二世帯住宅で玄関を共有するメリット
ここまでわが家の実体験を中心に紹介しましたが、玄関を共有することにはメリットもあります。
玄関を1か所にまとめられる
玄関を親世帯と子世帯にそれぞれ作る必要がないため、玄関スペースを1か所にまとめられます。
二世帯住宅は一般的な一世帯住宅より必要な部屋や設備が多くなりやすいため、限られた床面積をどこに使うかは重要です。
玄関を共有すれば、もう一つ玄関を作るためのスペースを別の部屋や収納などに使いやすくなります。
玄関設備を2つ用意する必要がない
玄関ドアや土間、収納などを世帯ごとに用意する必要がありません。
完全に二世帯を分ける場合と比べれば、設備を共用する分だけ家のつくりもシンプルになります。
家族の気配を感じやすい
同じ玄関から出入りするため、家族が出かけたり帰宅したりしたことが分かりやすいという面もあります。
親世帯と子世帯が完全に分離してしまうより、適度に家族の気配を感じながら暮らしたい家庭には向いていると思います。
二世帯住宅で玄関を共有するデメリット
一方で、実際に暮らして感じたことも含めると、次のようなデメリットがあります。
靴や物が集中する
二世帯分の人が同じ玄関を利用するため、どうしても靴が集中します。
特に家族人数が多い場合は、十分な玄関収納が必要です。
わが家のように、新築時の下駄箱だけでは足りなくなることもあります。
鍵の管理が曖昧になりやすい
これは、わが家が現在もっとも気になっている部分です。
誰か家にいると思って鍵をかけずに出かけるなど、世帯間で施錠に対する認識が違うことがあります。
家族によってはプライバシーが気になる
わが家では問題になりませんでしたが、親世帯と子世帯がお互いの出入りを気にする家庭では、共有玄関がストレスになる可能性もあります。
友人や知人を頻繁に招く家庭では、来客のたびに親世帯と顔を合わせることを気にする場合もあるでしょう。
重要なのは、「一般的にどうか」ではなく、自分たちの家族関係でどう感じるかだと思います。
玄関を共有するなら収納は「今」ではなく10年後で考える

これから二世帯住宅を建てる方に特に伝えたいのが、玄関収納は現在の家族の状態だけで決めない方がいいということです。
家を建てるときに子どもが小さければ、靴も小さく、持っている数もそれほど多くないかもしれません。
しかし、10年経てば状況は変わります。
子どもは成長し、靴のサイズも大人と同じになります。
用途によって複数の靴を使うことも増えます。
親も年齢を重ねます。
玄関の使い方そのものが、家を建てたときと同じとは限りません。
わが家では玄関を広めにしていたため、収納が足りなくなってもDIYした靴箱を追加する余裕がありました。
これは結果的に正解でした。
収納を最初から十分に確保することはもちろんですが、後から棚や靴箱を追加できるスペースを残しておくのも一つの方法だと思います。
二世帯住宅は共有部分の「10年後」を考えることが大切
玄関だけでなく、二世帯住宅の共有部分では、家族の生活が変化することまで考える必要があります。
わが家では玄関のほかに、浴室も共用しています。
浴室についても、家を建てた当時は子どもが小さかったため問題にならなかったことが、子どもの成長によって変わりました。
部活動や塾などで入浴時間が遅くなり、親世帯の生活時間との違いが大きくなったからです。
お風呂についても、実際に10年以上共用して分かったメリットや後悔した点を別の記事で詳しく紹介しています。
→ 二世帯住宅で風呂を共用して後悔?暮らしやすくする間取りの工夫
玄関も浴室も、家を建てた直後だけを見れば問題がなくても、子どもの成長や親の高齢化によって使い方は変わります。
そのため、二世帯住宅では「今なら問題ない」という理由だけで共用部分を決めるのではなく、10年後の家族を想像して考えることが大切です。
また、わが家では共用の浴室・洗面所を父の寝室のすぐ隣に配置したことで、生活音についても後悔した経験があります。
間取りと生活音で実際に何が起きたのかについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
→ 2世帯住宅の間取りで後悔した話|生活音から学んだ設計の重要性
玄関、浴室、洗面所などの共有部分は、それぞれ単独で考えるのではなく、寝室との位置関係や家族の生活時間まで含めて考えることが重要だと感じています。
親世帯との距離感は設備だけでは決まらない
玄関を共有するか別にするかを考えていると、どうしても間取りや設備の話ばかりになりがちです。
しかし、実際に二世帯住宅で長く暮らして感じるのは、それ以上に家族同士の距離感が重要だということです。
玄関を共有していても、わが家のように出入りや来客がほとんどストレスにならない家庭もあります。
反対に、玄関が別でも、生活への干渉が多ければストレスを感じるかもしれません。
わが家で10年以上暮らして感じた親世帯との距離感については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
→2世帯住宅で後悔しないために|間取りより大事だった距離感の話
10年以上暮らした結論|今建てるなら玄関は別々にする
では、10年以上二世帯住宅で暮らした現在、もう一度家を建てるとしたら玄関をどうするか。
私なら、今度は親世帯と子世帯で玄関を別々にします。
ただし、これは「玄関を共有して最悪だったから」ではありません。
実際、親と同じ玄関を使うことによるストレスはほとんどありませんでした。
来客も特に気になりません。
靴が多い問題についても、玄関を広くして収納を追加することで対応できています。
それでも玄関を別々にしたいと思う一番の理由は、鍵の管理です。
親が年齢を重ね、鍵をかけ忘れることが出てきた現在は、防犯面を考えると世帯ごとに玄関を管理できる方が安心だと感じています。
家を建てた2014年当時には、ここまで考えていませんでした。
二世帯住宅では、親も子も年齢を重ねます。
子どもも成長します。
家族構成が同じでも、生活スタイルは大きく変わります。
だからこそ、二世帯住宅の玄関を共有するかどうかは、
「今の家族なら問題ないか」
だけではなく、
「10年後、20年後も使いやすいか」
という視点で決めることが大切だと思います。
まとめ|二世帯住宅の玄関は10年後まで考えて決めよう

今回は、二世帯住宅で玄関を共有して10年以上暮らしてきたわが家の経験を紹介しました。
わが家の場合、玄関を共有したことで親との出入りや来客にストレスを感じることはほとんどありませんでした。
一方で、実際に長く暮らしてみて分かったこともあります。
特に感じているのは、次の3つです。
- 家族が多いと想像以上に靴が増える
- 玄関収納は余裕を持って考えた方がいい
- 親が高齢になると鍵の管理が問題になることがある
わが家では新築時の下駄箱だけでは足りず、後からDIYで子ども用の靴箱を作りました。
その点では、玄関を広めにしておいたのは正解だったと思っています。
しかし、鍵の閉め忘れについては収納のように簡単に解決できる問題ではありません。
10年以上暮らした現在、もしもう一度二世帯住宅を建てるなら、私は親世帯と子世帯で玄関を別々にします。
二世帯住宅を建てるときは、完成した直後の暮らしだけを考えるのではなく、親の高齢化や子どもの成長も含めて10年、20年先を想像してみてください。
玄関を共有すること自体が悪いわけではありません。
大切なのは、自分たちの家族にとってどちらが長く安心して暮らせる形なのかを考えて決めることだと思います。
